【寄付月間2020特別レポートvol.31|寄付によって「明日も頑張ろう」と思ってもらえる、そのような「寄付」の優しさが広がる社会を目指して。#寄付月間】

 皆さんこんにちは!actcoinインターン生のかなりんとしおりんです。寄付月間の記念すべき最終日は、actcoinの代表・佐藤さんにインタビューをしました。様々なソーシャルビジネスに挑戦する佐藤さんが、お仕事において、また人生において大切にしている価値観や、それが形成されるまでのストーリーに迫ります。

佐藤 正隆(さとう・まさたか)
1980年生まれ、岡山県出身。あらゆるソーシャルビジネスに挑戦していくことを志向し、大阪・東京でIT企業を経営。リタワークスは「利他の想いと行動で、世界をより良くする」という理念を掲げ、非営利業界・病院業界に特化したソーシャルビジネスを展開し、コングラントをはじめ多くの顧客にサービスを提供。 18年設立のソーシャルアクションカンパニーは「actcoin」を開発。個人の社会貢献を可視化し、幸せと繋がりなどの新しい価値を創出していくプロジェクトとして社会実装に挑戦。

◯人生哲学について

原田)佐藤さん、本日はよろしくお願いします!佐藤さんというと「利他の心」「ソーシャルビジネス」という言葉が思い浮かぶのですが、社会貢献とともに生きようと決めたきっかけはなんですか?

佐藤さん)はい、よろしくお願いします!今でこそソーシャルビジネスに挑戦をしたり、社名に「利他」という言葉を入れていますが、起業した当初は社会貢献を軸にした事業をしようとは全く思っていませんでした。27歳で起業をしたのですが、最初の数年は経営がうまくいかなかったときに入った”大久保秀夫塾”で恩師と出会ったことが大きなきっかけです。その塾に通ったなかで経営者として何をするかではなく、どう在るか(社会の中で自分・事業がどうあるべきか)を徹底的に自分自身と向き合ったことや、また経営者としての本質的な学びを通して、会社経営に対する考え方が大きく変わったんです。

原田)具体的にどんなことを学んだのか詳しくお聞きしても良いですか?

佐藤さん)まず、「なんのために事業をするのか」についてです。そこで大久保先生は、「社会に貢献するために事業をやるのだ」といつも言っていました。これはソーシャルビジネスをする上で必須の考え方なのですが、まず社会のために何ができるか・どんな人が困っているのか(社会性)を追求することで、自然と独自性や経済性がついてくる。「このサービスがなかったらだめ」って思われるくらい社会から必要とされているものを事業にすることの大切さを教わりました。普通のビジネスの場合は、優先度として①経済性②独自性③社会性なのですが、ソーシャルビジネスの場合は①社会性②独自性③経済性のように、優先順位が異なります。大久保秀夫塾に行ったことで、「社会性のある経営のノウハウ」を自分に徹底的に叩き込みました。

大久保秀夫塾で教わったように、「社会貢献を仕事にする」と、会社の社員にも言い続けてきました。リタワークス自体が、社会貢献をすると企業が成長すること体現しているなとひしひしと感じています。

原田)今のアクトコインがあるのも、社会貢献やソーシャルビジネスに挑戦するという佐藤さんの志があってこそなのだと改めて実感しました。そこから見つけたポリシーのようなものはありますか?

佐藤さん)仕事や新しいサービスを始める上で、儲かるか儲からないかは考えず、困っている人がいるのだとしたら助けに行く!という風になりました。社会に足りないピースを埋めることができるよう、奔走しています。

木村)素敵なお考えです!ひとつお聞きしたいのですが、ソーシャルビジネスとはいえビジネスをする上でお金はやはり外せないと思います。ですがactcoinはまだ収益化ができていませんよね?ちょっと現実的なお話を聞かせてもらえますか?

佐藤さん)そうだよね。ただ、それぞれのサービスが持つ、社会に届けたい価値を考えたときに、actcoinを通して「人との繋がり」という新しい価値観を世に普及させたいと思いました。確かに収益化はまだしていませんが、僕もactcoinでお金をもらおうとは考えていないです。サービスに懸ける思いを説明したときに投資をしてくれた方や、寄付で応援をしてくれる方、お仕事で協力をしてくれる方など、いろんな存在が支えてくださるからこそ続けられているので、それが自分のエネルギーにもなっています。

actcoinを始めたきっかけはなんですか?

 社会貢献の度合いを数値化して見える化したいと思ったからです。アイデアを思いついたきっかけとしては、かつてパナソニックでCSR部門の担当をしていたある男性との出会いです。その方がどのようにしてNPOの方と関係を構築されてきたのかを知り、これまでの軌跡がデータとして残る・見える化できる仕組みがあるといいなと思いました。

 寄付やNPOという言葉が身近になったのは2015年のFRJに参加してからです。そこから、まずはITやクリエイティブの力で社会貢献に取り組む組織に協力できればと、サービスを始めるようになりました。社会貢献・ソーシャルビジネスを仕事にする中で、「今の社会に必要とされるのは人柄を表すことのできるシステムだ」「お金ではない軸で物事を測れるような社会になるといい」と感じるようになりました。お金は通帳などにいくら持っているかが可視化されますが、お金には色がないですよね。そのお金は良いことをして稼いだものなのか、それとも誰かを騙すなど悪いことをして手にしたものなのかが分からない。その人の優しさなどの「人となり」がわかる社会貢献活動の履歴を可視化したいと思い、2018年5月に会社を設立、2019年1月にサービスをローンチしました。

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寄付先を選ぶときの決め手はありますか?

 活動内容とその活動の独自性や公共性などを見て、どこに寄付をするか決めています。どんな人に対して、どんな活動をしているのかを知り、そのアプローチ方法などが勉強になったと感じた時や、団体の方と直接話して応援したいと思った時に寄付をすることが多いです。出会いと感情の揺れがポイントです。

思い出の(印象に残っている)寄付はありますか?

佐藤さん)うーん。難しい。。なるべく多くの団体に寄付をしているので、1つ1つはその瞬間の感情で寄付を決めているので思い出が思い当たらないです。

原田)NPO団体さんとの交流も多いですもんね。これまで大体何回くらい寄付をされましたか?

佐藤さん)これまた難しいですね(笑)。でも年間12回くらいしています。同じ団体に継続的に寄付をすることはほぼなくて、単発でいろんな団体に寄付をしています。

寄付先で一番印象に残っている団体は、公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金さんかな。小児ガンをはじめとした医療ケアが必要なお子さん・家族の方を対象とした病院と家の中間施設を運営している団体なんだけど、その施設(チャイルド・ケモ・ハウス)がすごく明るい、お家みたいな施設で。自分の中の”入院施設”って冷たくて暗いイメージがあったんだけど、覆りました。

原田)私も今ホームページを見てみたんですけど、新築のお家みたいですし、大きな天窓がいいですね!入院や闘病で沈みがちな心が明るくなりそうです。年間12回寄付をされているとのことで、ほぼ毎月寄付をされていると思うのですが、次の寄付先の目星は立っていますか?

佐藤さん)「青少年養育支援センター『陽氣会』」さんのクラウドファンディングです!congrantで出会った団体・プロジェクトなのですが、とても丁寧にホームページを作ってくださり、活動に一生懸命に取り組まれているんだろうなと感じたので、応援しています。

寄付を通してどんな社会になって欲しいですか?

寄付には、自己肯定感や安心感を高める効果や、活動に取り組むための勇気をチャージする効果があると思います。寄付によって寄付先団体が「明日も頑張ろう」と思ってもらえる、そのような「寄付」の優しさが広がる社会になって欲しいです。

最後に、寄付に対する苦手意識のありそうな方にメッセージをお願いします!

若い間はしっかり働いて、自己投資にお金を使うと良いと思います。団体から学んだり・人との繋がりを得たら「寄付」でお返しするのも1つだと思います。いくらかの貯金するより有効だと思います。

ソーシャルビジネス・社会起業に関心のある若者にも、メッセージ又はアドバイスをお願いします!

 今は欲しい情報が簡単に手に入る時代なので、実際に体験することが何よりも大事だと思います。やってみて初めて気づくこと・学べることがたくさんあると思うので、是非一緒にアクションしましょう!

 最近では起業をしたいと考える若者も増えてきたと思います。起業は正直孤独です。でも、「社会を良くしたい!」「この課題を解決したい!」という気持ちを持ち、それを周りの人に伝え続けたら、応援してくれる人やついてきてくれる人が必ずいます。お金のことなど、不安に思うこともあるかもしれませんが、世の中には使われていないお金がたくさんあります。アクションを起こすことで、お金も人も動かすことができるのです。


◯インタビュー後記

 佐藤さん、本日は貴重なお話を聞かせてくださりありがとうございました!「あらゆるソーシャルビジネスに挑戦する」「例え金銭的な利益がなかったとしても、困っている人がそこにいるならばその人たちの課題を解決できるサービスを開発する」など、本気で誰かのために生きている佐藤さんの生き方に胸を打たれました。

 2021年、actcoinのサービスは3年目に突入します。様々なリニューアルや、新しいサービスの提供に挑戦していきますので、今後とも応援していただけたら嬉しいです!

<interviewer・Writer>
原田 佳奈
静岡県出身、大学4年。actcoinで学生インターンをしながら、下部組織のactcoin for youthで組織マネジメントを担当。actcoinが見据える、「社会貢献活動が世に浸透する」「社会を思う愛と優しさ・勇気を可視化する」のコンセプトに惹かれ、ジョインを決意。

木村 汐里
大阪出身&在住、関西学院大学 総合政策学部 2年。昨年11月にactcoin掲載のイベントに参加したことがきっかけで、actcoinforyouth関西初期メンバーとして活動している。 10月からactcoin本部での学生インターンを開始。「グラレコ」こと、グラフィックレコーディングに夢中。

12月中毎日、『寄付とわたしと。』を読んでくださり、ありがとうございました!

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>actcoin for youth

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若者のソーシャルプラットフォーム「actcoin for youth」

一人ひとりの社会貢献活動を可視化するプラットフォーム actcoinの学生組織。

ユース世代(U25)がもっと社会へ関心を抱き、若者から社会を変えていくために、
わたしたち actcoin for youth は日々活動しています。

一緒に組織を大きくしていく仲間を募集しているので、
ご興味ある方はお気軽にご連絡ください。

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