【寄付月間2020特別レポートvol.30|他者の存在に感謝を込めて、社会に恩送りを。#寄付月間】

 皆さんこんにちは!actcoin for youthのはるのん・かなりんです。本日はなんと、actcoinの創設者である上杉さんにお話を伺いました…!寄付に関する考えをお聞きすると同時に、ビジネスを通しソーシャルイノベーションを起こす上杉さんに、その心中をお聞きしました。

上杉 昌之(うえすぎ・まさゆき)
2016年 ブロックチェーン業界にて株式会社LastRootsを立ち上げ日本発の仕組みを作る為にクラウドファンディングにて自身で全国を周り約6億3000万円を調達をした実績を持つ。
2018年 クラウドファンディング時に公言していた寄付を身近に豊かな社会を作り、社会課題を解決したく、佐藤氏、石川氏とタッグを組みソーシャルアクションカンパニー株式会社をFOUNDERとして設立。
2020年 一般社団法人SDGs×マンガのチカラを設立し、SDGs普及を後押しするためマンガ家さんと連携してSDGs教育マンガ「マンガで世界を救うぞ!」を出版。
長年活動してきたラオスの奥地やネパール山岳地帯でのボランティア活動も仲間が増え2020年NPOソーシャルベンチャー設立。

actcoinというサービスを始めようと思ったきっかけを教えて下さい

 社会に対して良いことを行う人がいても、その活動内容やソーシャルな人々の実態を知れる方法が皆無に等しいと思ったんです。例えば、小さな社会貢献だったら、「何をおこなったか」を自分でも覚えることができません。それは、気持ちとか努力の問題ではなくて、人間は「忘れる生き物」だからなんです。そこで、寄付や活動、日々の習慣の記録を残せる機能があれば、自分の記録としても、また、他の人と共有する上でも、役立てられるのではと思いました。

 日本には、良いことをしていてもそれを公に出すと白い目で見られたり、そもそもマイノリティに後ろ指を刺す風潮があると思います。そんな中、社会貢献を公正に可視化することで、それを隠さない、むしろ堂々と目立たせていきたいと思っていました。また、そういった行動や活動を可視化することで、その中からソーシャルイノベーションを起こせる人を、もっと見つけたいとも思っています。ソーシャルイノベーションとは、社会問題に対する、より効果的で持続的、革新的な解決法のことです。

 日本は、新たなものを独自に開発することが少なく、それができる人も比較的少ないと思っています。そんな中、actcoinという、どの国でも、誰もやったことのないサービスをイチから創りあげることができたことを、誇らしく思っています。

寄付先はどのように選んでいますか?

 選ぶ基準は二つあります。一つ目は、団体の方の想いや魂が伝わってくるかどうか。感覚的ではありますが、団体に属するメンバーの想いや熱量は言葉に現れると思います。これまでNPOの講演会に出向き、様々な団体の話を聞きましたが、今も深く関わっているのは自分が惹きつけられた団体です。団体の活動内容や、代表者の在り方を重視して見ています。

 もう一つは、支援の現場に出向き、問題を自分で確かめたところに寄付をします。自分の目で実態を確かめることで、より自分ごととして問題を捉えることができます。渦中にいる人たちの苦しみを知ってしまったからにはもう後戻りができない、支援をし続けないとと思います。長くラオスでクラスター爆弾の不発弾を撤去する活動支援をしているのですが、その最初のきっかけも問題を知ったからでした。

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ー活動を始めるまでの経緯についてお聞きしても良いですか?

 Youtubeでドキュメンタリービデオ「Surving the Peace」を見たことがきっかけで、ラオスのシェンクァン県にあるクラスター爆弾の不発弾を撤去する活動支援を始めると決意しました。なぜラオスなのか、と聞かれることもよくあるのですが、私が「誰もやっていないことに挑戦する」ことが好きな性分だからです。その動画を見て、実際に爆弾の被害にあった方を訪ねにラオスの山奥にいきました。そこで知ったのは、何10年も前から不発弾の被害が続いており、今も苦しんでいること。被害を受けても社会から何も補償がないこと。だからどこにも、誰にも怒りをぶつけることができないということでした。

思い出の(印象に残っている)寄付はありますか?

 思い出に残っている寄付は二つあります。1つ目は活動地のラオスにて、不発弾被害者の住む村に水場が無かった為、遠く離れた山の水源から水を引き村にある岡の上に貯水タンクを設置して各家庭に水道を提供したことです。2つ目はNPO法人テラ・ルネッサンスさんへの寄付です。この時、1000万円近く寄付をしたのですが、お金を出すことに正直とても躊躇していました。これだけの額のお金があれば、他に欲しいものが買えるじゃないですか。僕自身億万長者ではなく、田舎の普通の家庭で育ったから、正直命の次にお金が大事。でも、自分で決めたことなので、後に引けませんでした。自分で稼いだお金は、金額を問わずとても尊く重みがあるので、お金を出すことに苦しさを感じましたね。

寄付を通してどんな社会になって欲しいですか?

 寄付は、「お金」を用いた社会貢献だと思うのですが、寄付を行う側も受け取る側も、まずお金の勉強をして欲しいと思います。その本質をもっと理解し、尊いお金を使って、想いの詰まった寄付をして欲しいです。一生懸命働いて、お金を稼ぐことも大事にし、その上で、自分が稼いだ中の、どれだけかの割合を社会に還元(寄付)するというループができれば、一番良いと思います!それが当たり前になったら、きっとより良い社会への一歩になるでしょうね。

最後に、寄付に対する苦手意識のありそうな方にメッセージをお願いします!

 皆さんはそれぞれのご両親から生まれてきました。赤ちゃんの頃は自分で生きていけません。皆んな誰かに助けられて、人に寄り添い笑ったり苦しんだりしてさまざまなものを背負って人生を歩んでいくのです。今の自分があるのは誰かの存在や支えがあってこそです。今自分が生きていること、命そのものに感謝して、関わる人や環境を思いやってまわりを見渡してみましょう。あなたの寄付により助かる誰かがいて笑う人が増えるなら、それは嬉しいし誰も損しないでしょ。

 また、私はプロジェクトの関係でよくラオスやネパールに足を運びます。そこの人たちは、貧しいながらも、多くのものを私に「分け与えよう」としてくれます。ラオスでは、旅人である私に、すぐ「ご飯を食べていって」と言ってくれます。ラオスに行くと、いつも忘れた何かを感じることができるんです。日本では、多くの人が衣食住に困らない生活をしています。だけど、自分たちが「足りている」ことを実感している人は中々いません。どうか皆さん、自分たちが充分「足りている」ことを認識し、目線をもっと大きなところへ向けて、感謝の気持ちで社会のために働きかけてください。


〇インタビュー後記

 上杉さん、本日はお忙しい中貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。様々な苦労をし、様々な国に行かれるなど、多様なご経験をされているからこそ上杉さんのお言葉には「魂」や「覚悟」、そして「周囲への感謝」などといった強くも優しい気持ちを感じることができました。

 ”やると決めたらやる”という言葉を、どこかで皆さんも一度は聞いたり言ったことがあると思います。ですが決断したことを最後まで本当にやり遂げようともがき続ける人はあまりいなく、途中で投げ出してしまう人がほとんどだと思います。日々を本気で生きている上杉さんだからこそ、一つ一つの行動や発言にいろんな方が共感をし、応援される人なのだろうな、と短時間のインタビューから感じることができました。

<interviewer>
原田 佳奈
静岡県出身、大学4年。actcoinで学生インターンをしながら、下部組織のactcoin for youthで組織マネジメントを担当。actcoinが見据える、「社会貢献活動が世に浸透する」「社会を思う愛と優しさ・勇気を可視化する」のコンセプトに惹かれ、ジョインを決意。

<writer>
一森 春乃
兵庫県在住。関西学院大学 国際学部 2学年。actcoinforyouthでメディア発信、ソーシャルウィークエンド(若者向けオンラインイベント)開催を担当。10月からactcoin本部での学生インターンを開始。自身の社会的関心に合ったキャリアを形成できる社会を目指し自らも奮闘中。
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actcoin for youth

若者のソーシャルプラットフォーム「actcoin for youth」

一人ひとりの社会貢献活動を可視化するプラットフォーム actcoinの学生組織。

ユース世代(U25)がもっと社会へ関心を抱き、若者から社会を変えていくために、
わたしたち actcoin for youth は日々活動しています。

一緒に組織を大きくしていく仲間を募集しているので、
ご興味ある方はお気軽にご連絡ください。

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