【寄付月間2020特別レポートvol.23|世界中、社会課題満載時代。だからこそ自分にできること#寄付月間】

こんにちは!actcoinインターン生のしおりんとかなりんです。今回はactcoin創業メンバーの1人である、石川淳哉さんに寄付経験についてのお話を聞くことができました。また今回は寄付の話だけではなく、石川さんの生き方や人生哲学についてもお話を聞かせていただきました。

石川 淳哉(いしかわ・じゅんや)
1962年大分県生まれ。ソーシャル・ グッド・プロデューサー。株式会社ドリームデザインCEO。世界のさまざまな社会課題を解決するために、クリエイティブの可能性を追求する人生と決断。 
自宅に太陽光発電を導入、EV車にシフト。 5108BASE(御殿場に創った農園&CAMP場)で完全無農薬野菜生産中。温泉力発電を模索中。防災士。

《ソーシャルキャリアについて》

 もともと私は広告業界で仕事をしていました。世界の広告賞を獲得、お金を稼ぐことだけを目的に生きていました。いろんなものを手に入れたいとも思っていましたね。いわゆる真っ黒けの状態w。 

そんな僕が、ソーシャルグッドなことしか仕事にしなくなったのは、大きく二つのきっかけがあります。まず、2001年に起きたアメリカの同時多発テロ。その時『世界がもし100人の村だったら』のプロジェクトに、無理矢理誘われて携わったこと。特に『世界がもし100人の村だったら』が爆発的にヒットしたことで、世界のあらゆる課題が可視化され、社会が前向きに変わり始めている実感を強く感じました。もうね、脳や全身の細胞が喜んでいる、幸せだとあんなにも感じたのは初めてでした。広告で世界一を受賞するのではなくて、社会課題解決に携わることに幸せややりがいを感じる自分にその時に気がついたんです。

もう一つが2011年、311が起きた時、佐藤尚之や400人のプロボノ仲間と一緒に情報で東北の助けになるべく「助けあいジャパン」という緊急災害ポータルサイトを作ったこと。ボランティアワークでしたがこのプラットフォームは6年半続けることになりました。法人は、全国の災害サポートをする団体として今でも続いていています。

世界中、社会課題満載時代。自分のプロフェッションが、社会に一番効果的に機能することを考えた末、「ソーシャルグッドプロデューサー」になることを決意しました。毎日忙しいですが、自分だからこそできることがあるので、幸せを感じています。

《人生哲学・マイルール》

 日常生活もソーシャルグッドを心がけています。具体的には、家にソーラーパネルをつけ、太陽光発電。また電気自動車を利用、コンポストを利用し生ゴミを削減するなど、環境に配慮をした生活を意識しています。個人収入の2割は寄付をするようにしています。社会へ再投資するという考え方です。自分でできない領域、特に子供がいないので、子供関係と地域課題解決案件が多いかもしれないですね。今はソーシャルグッドプロデューサーということで、案件が社会課題であれば、なるべく依頼は断らないこと、例えお金が発生しない依頼であったとしても未来を創る可能性を感じたものに時間を投資することにも、仕事を自分で決める中で意識しています。

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《ソーシャルグッドなことしかやらないからこそ感じる社会の変化》

 SDGsが国連によって採択された2015年から、世界はどんどん変わってきているなと感じます。「ESG投資」を知っていますか。ESGとは、Environment Social Governanceの頭文字で、ESG投資というのは従来の財務情報だけでなく、環境・社会・ガバナンス要素も考慮した投資のことです。今年ね、世界中のESG投資枠が一京(いっけい=兆の次の単位)円を越えたんだそうです。これはすごいことですよ。企業が世界の持続に大きく関与したときに、このお金が株式として入ってくる仕組み。大企業に集中するわけですが、中小企業や地方自治体、プロジェクトにこの投資が回ってくる時代がくるでしょうね。こうやって世界の持続可能のために使われるお金の割合がどんどん増えていると思います。

《社会課題についての考え》

 社会課題は、社会の中心にあるものだと思います。学校や自治体、NPOなどそれぞれ解決に勤しむ団体がありますが、それぞれが独自で頑張っても解決することは難しく、限度があります。最初に述べた「社会課題は、社会の中心にある」というのは、皆の課題である、ということ。つまり皆でどうしたら解決できるのか、一緒に考える必要があります。

 社会課題解決のための方法のひとつに寄付があります。寄付は、利他の心・愛と勇気が込められており、アクションの後押しや応援ができるツールです。コレクティブ・インパクトという言葉にもあるように、ソーシャルセクターと呼ばれる人たちだけではなく、市民も含めたいろんな人を巻き込み、皆で解決をする必要を社会課題に感じています。

ー寄付をした経験も、募った経験もあるかと思います。「寄付月間」にちなんで、寄付先を選ぶときの決め手や、また寄付を募った際の思い出などをお聞きしてもよろしいでしょうか。

 寄付先を選ぶときの決め手は、ソーシャルインパクトをきちんと出しているかどうか。なので、団体に寄付をするというよりもプロジェクトに寄付をすることが多いです。このプロジェクトがもし実現されたら誰かが喜ぶだろうな、自分も挑戦したいなとワクワクするものに寄付をします。

 寄付を募った側としての経験で印象深いのは、つい最近のものなのですが、私が代表理事を務める助けあいジャパンによる”災害派遣ネットワークプロジェクト「みんな元気になるトイレ」”というクラウドファンディングに挑戦したときです。なぜかというと、寄付の連鎖を目の当たりにしたからです。

 2019年10月に起きた台風の災害を覚えているでしょうか。被災した千葉県君津市では、停電に伴う断水により、飲料水や生活用水の確保が深刻な問題となりましたが、トイレも重要な課題の一つでした。

 避難所は家とは違い、窮屈でプライバシーも守られにくいです。トイレが汚く劣悪な環境であると、トイレを我慢するために、人は食べ物や飲み物を口にせず、その結果死んでしまう人もいるのです。これがいわゆる「災害関連死」というもの。本来なら助かった命が、無事に避難できたとしても失われてしまう場合もあるのです。

 2019年に起きたこの台風では、避難所にみんな元気になるトイレトレーラーが被災地である千葉県君津市へ派遣され、文化ホール等の駐車場に設置されました。今回のクラウドファンディングでは、その君津市が「ふるさと納税」として、寄付を募ることに協力をしてくれたのです。

昨年の災害時に、多くの自治体や様々な関係機関に支援いただき、その連携が非常に重要であることを経験した君津市は、市民の命と健康を守り、自治体間の連携を深めるトイレトレーラーによるネットワークプロジェクトに参加し、全国に安心と元気、支援の輪を広げていきたいと考えております。ーー千葉県君津市HPより

 君津市長のお言葉からも、寄付の連鎖・優しさの連鎖を実感することができますし、互いの自治体を助け合うことの必要性も感じます。

寄付についてどのような発信・伝え方をすれば人々の心に響き、寄付の文化が社会に浸透するとお考えでしょうか?

 日々の生活の中で社会課題について考えない人の方が多いと思います。割合で考えた時に、常日頃意識している人が1割。何が起きても変わらないという人が1割。そしてどちらでもないという人が8割だと思います。この8割の人々をこちら側に引き込むことが大切です。その人の生き方に関心のあるところからアプローチをしていくこと、クリエイティブを使って入り口・きっかけを作ることが鍵となりますね。世の中を少しずつよい方向に変えていくために、8割の人の心を動かすきっかけを作りたいと思っています。

<学生の方にメッセージ>

 近年、社会貢献活動を仕事にしたいという学生や、社会への危機感を感じ行動を移す学生が増えてきています。自分1人だけでは社会を変えることは難しいですし、社会課題は皆の課題でもあるので、社会課題を解決するためにはいろんな人を巻き込む必要があります。是非、巻き込み上手になってください。その際には「美しい誤解」を生むことが鍵となります。「誤解」をきっかけにこちら側に参加してもらう。自分の社会的な企画を実施する時に人を巻き込み、「やってよかった・関わってよかった」と、誘った相手に思ってもらえるようになるのが理想ですね。

 気候危機やコロナウイルスの感染拡大など、昨今の世界はグレート・リセットに向かい、顕著に変わってきています。その中で、若者は最大のプレイヤーになりうると思いますし、是非世界を変えるヒーローになって欲しいです。寄付に関しては、寄付をすることはもちろん、寄付を募る側になって欲しいです。世界をよい方向に変える一つの手段に寄付があります。人を巻き込み、社会変革のリーダーになってもらえたらと思います。

<writer>原田 佳奈
静岡県出身、大学4年。actcoinで学生インターンをしながら、下部組織のactcoin for youthで組織マネジメントを担当。actcoinが見据える、「社会貢献活動が世に浸透する」「社会を思う愛と優しさ・勇気を可視化する」のコンセプトに惹かれ、ジョインを決意。
<interviewer> 木村 汐里
大阪出身&在住、関西学院大学 総合政策学部 2年。昨年11月にactcoin掲載のイベントに参加したことがきっかけで、actcoinforyouth関西初期メンバーとして活動している。 10月からactcoin本部での学生インターンを開始。「グラレコ」こと、グラフィックレコーディングに夢中。
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若者のソーシャルプラットフォーム「actcoin for youth」

一人ひとりの社会貢献活動を可視化するプラットフォーム actcoinの学生組織。

ユース世代(U25)がもっと社会へ関心を抱き、若者から社会を変えていくために、
わたしたち actcoin for youth は日々活動しています。

一緒に組織を大きくしていく仲間を募集しているので、
ご興味ある方はお気軽にご連絡ください。

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