【vegan特集 No.1 |お肉が出来るまで。畜産の環境問題。『ヴィ―ガン』とは?】

 皆さんこんにちは!actcoinforyouthの、ひよりん、はるのん、えりりんです。本記事から、【vegan特集】を始めたいと思います!No.1~3までの3つの記事で、「ヴィ―ガンの方への直接インタビュー」や、「ヴィ―ガンレシピ」など、多種多様な内容をご用意しました。

 今回は、そんな 【vegan特集】の第一弾。 まず、私たちが普段口にする「お肉」は、どのように生産されているのか。そして、「畜産」の環境への影響。最後に、「ヴィ―ガン」についての基礎知識。主に、私たちがヴィ―ガンを特集するに至った背景の社会問題について、取り上げ、ご紹介します!

お肉ができるまで~畜産の裏側~

 皆さんがスーパーや食卓で見る肉の裏側には、悲惨な飼育環境や屠殺による家畜動物の苦しみが隠されています。

鶏の場合

  採卵鶏としては、平飼い、ケージ飼いがあります。 平飼いは、鶏が自由に動き回れてストレスがあまりかからない飼育方法ですが、経済性を求めた結果、ほとんど行われていません。ケージ飼いは、狭い空間に何千羽も詰められて身動きが取れない飼育方法です。日本ではこの方法が多く取られています。糞尿の清掃もされないため、不衛生な環境の中で一生を過ごします。酷い生活環境のため、ケージ内で死んでしまう鶏もいます。

 この監禁生活によるストレスでお互いに傷つけあわないようにするため、メスのひよこは生まれてすぐにくちばしの端を切断されます。一方、オスのひよこは卵を産めないため、生まれてすぐにゴミ袋内で窒息死させられたり、シュレッダーで生きたまま粉砕されたりします。卵を産み続けて弱った採卵鶏は、逆さまにつるされる、感電死、火傷させられる、喉を切り裂かれる、などをして殺されます。

  食肉用鶏(ブロイラー)も採卵鶏と同様に鶏舎の中で何千羽もの鶏と過密状態で飼育されているため、羽を広げることも、自由に動き回ることも許されません。また、早く太らせて出荷させるために、薄暗い鶏舎で運動もさせず、高カロリーの餌を食べさせます。

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豚の場合

 鶏と同様、狭いスペースで飼われています。生まれてから短期間で太らせるため、身動きが取れない状況になり、豚本来の行動が出来なくなります。ストレスや運動不足、不衛生な飼育環境などにより病気にかかりやすくなるため、病気予防や治療のために抗生物質が餌に混ぜられます。運動不足に加え、高カロリーな餌を食べさせ、短期間で大きくするという飼育方法が、豚に大きなストレスを与えています。

 そして、屠殺場への輸送は過剰に詰め込まれ、夏の熱ストレスに耐えなければなりません。日本の屠殺では、電気ショックを与え、動けなくした後に頚動脈を切って失血死させます。

牛の場合

 現在日本のほとんどの酪農場が搾乳牛を短い鎖やロープでつないで飼育しています。つながれた牛たちは、行動を大幅に制限され、歩くことすら許されず、ずっと同じ場所で立ったり座ったりを繰り返しています。 妊娠中と授乳期にしか牛乳を生産できないため、人工授精により妊娠、出産を繰り返します。生まれた子牛は母親から引き離され、一緒に過ごすことは許されません。 肉用牛は、多頭数を早く大きくさせて生産効率を上げるために狭い牛舎で密集飼育をして、極力運動もさせずに、太らせるための餌を与えて急激に太らせています。

 豚と同様、屠殺場までの長距離、長時間を耐えなければなりません。この間牛は、脱水、ストレスに苦しみます。日本の屠殺では、屠畜銃を眉間に打って失神させ、片足を釣り上げて逆さ吊りにし、喉を切り裂き失血死させます。この後に意識を取り戻すこともあります。

 自分がこれから殺されると気づいても、自分の足で殺される場所まで歩かされる。人間に置き換えて考えてみると、残酷さが分かると思います。家畜動物たちは、賢くて感情もあるのですよ。

 また、これらの動物たちは本来の寿命まで生きていません。短期間で肥大化させられて出荷されるため、食用肉は子供の肉なのです。

 食用の牛、豚、鶏、採卵鶏、搾乳牛のほとんどが、狭い畜舎内で密集した状態で飼われているのが現実です。経済性を重視することによって残酷すぎる飼育環境が存在してしまっているのです。“安い”肉には裏があるということを知って、買わない選択をしていくことが、苦しむ命を減らすために重要なのではないでしょうか。完全に菜食にしなくても、週に何回か肉をやめてみるだけで救われる動物が増えると思います。


畜産による環境問題

家畜の餌の栽培による環境破壊

 「畜産」とは、牛や豚といった家畜を飼育し、それらから肉や乳製品を生産すること言います。しかし、畜産による生産は、牛や豚を飼育するだけにとどまりません。彼らが摂取する「飼料」を生産しなくてはならないからです。

 Greenpeace livestock vision towards 2050によると、なんと世界中の農地の大部分、75〜80%が、家畜用の飼料の生産のために使用されています。地球のほとんどの部分を利用し栽培されている穀物を、人ではなく家畜である牛・豚・鶏が食べているということです。そして、それらを食べた動物を私たちが食する。これは、カロリーに換算すると、世界中の摂取カロリーのわずか5%を生産するために、地球環境への負荷を40%も生み出しているという、非常に効率の悪い循環になります。

畜産から出る温室効果ガスによる環境問題

 また、畜産は、多くの温室効果ガスを排出します。その量は、全体の温室効果ガスの13%だとも言われており、これは、車や飛行機など、世界中の乗り物が排出するCO2 量に匹敵します。

 畜産での温室効果ガスの排出のほとんどを、牛の飼育が占めています。その理由に、牛のげっぷやおならに含まれるメタンガスが該当します。牛一頭につき、一日160~329リットルのメタンガスを排出します。

  FAOの2014年データによると、世界の家畜頭数は、牛が14.7億頭。豚は9.9億頭となっていますので、豚よりも多くなっています。 14.7億頭 もの牛が毎日排出するメタンガスを換算すると、膨大な量になることが容易に想像できると思います。

 お肉を全く摂取しないことを実践することは、難しい人が多いかもしれません。しかし、大きくなりすぎた畜産業と、多くなりすぎた家畜の数が、現在、地球環境を破壊していることは事実です。一人ひとりが、肉の消費量を少し減らすことで、地球環境を少し守ることができるかもしれません。


ヴィーガンとは?

 はじめに、ヴィーガンの定義を簡潔にまとめると、「肉や魚を食べないだけでなく、卵やチーズ、牛乳なども口にしない人」のことを指します。日本語では「絶対菜食主義者」あるいは「完全菜食主義者」と言われていますが、ヴィーガンの中でも「何に焦点を当てるか」で意味合いが少し変わってきます。

 たとえば、健康重視の「ダイエタリー・ヴイーガン」と呼ばれる人たちは、動物由来のものを食生活から排除するだけにとどまり、動物の権利を重視する「エシカル・ヴィーガン」と呼ばれる人たちは、「食」だけでなく、レザーや毛皮などの動物性製品の使用を避けており、環境保全重視の「エンバイロンメンタル・ヴィーガン」と呼ばれる人たちは、環境破壊を防ごうとしていることなどが挙げられます。

 また、最近では、週1日など自分のペースに合わせてヴィーガンの食事をする「パートタイム・ヴィーガン」の実践者も世界中に増えています。これは上記に挙げた三つに比べると、自分のテンポで実践できるので、挑戦するには取り組みやすいかもしれません。その他、ヴィーガンについてのレシピやお店、イベントなどに興味がある方は是非、ヴィーガンの情報を確認してみて下さい!


さいごに

 みなさん、最後までお読みいただきありがとうございました。本日始まった 【vegan特集】 まだまだ続きます。次回はなんと、ヴィ―ガンである夏海さんに、その食生活や思いを直撃インタビューしています。

 次回:【vegan特集 No.2 |ヴィ―ガンである夏海さんへインタビュー「自分の価値観を実現して生きていく」】 是非お楽しみに!!

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