【SDGs企画】(経済)

SDGs:8、9、10、12

目標8 『働きがいも経済成長も』

2008年から2009年に起こった経済危機を経て世界経済が回復の道を進む中、経済成長速度の減速や格差の拡大が世界で見られるようになりました。国際労働機関ILOによると、2018年の世界の失業率は5%に及び、1億7200万人もの人が失業したとされています(ILO, 2019)。また、新型コロナウイルスの影響で、コロナ流行前には就労していたにもかかわらず、コロナにより失業となった若者の数が6人に1人を上回りました。若者における雇用問題は特に深刻であり、失業率は13.6%、ニート状態となっている人の数は約2億6700万人となっています。それだけでなく、彼らの就労先として、低賃金職、インフォーマルセクターの仕事などの場合が大きな割合を占めています(ILO, 2020)。

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目標9 『産業と技術革新の基盤をつくろう』

インフラ整備とイノベーションの促進は、持続可能な経済成長をするうえで非常に重要なものとなっています。特に技術革新は、雇用機会を創出するだけでなく、省エネの向上など、環境に関する目標の達成に向けても今後より大きな役割を果たすこととなります。しかし、現状として、未だに多くの開発途上国ではインフラの整備が先進国に比べて遅れを取っています。先進国では、およそ87%の人々がインターネットを利用できるのに対して、後発開発途上国では、わずか19%の人しかオンラインアクセスすることができない状況となっています。また、新型コロナウイルスが蔓延する以前にもかかわらず、製造業の成長の低下が見られていました。これは、関税や貿易摩擦が原因とされています。さらに、研究開発に対する投資は増加しているものの、そのスピードは決して速いものとは言えず、よりスピードを加速して行う必要があるとされています(United Nations)。

ゴール10『人や国の不平等をなくそう』

 2020年1月20日、国際的なNGOであるオックスファム・インターナショナルが、「世界で最も裕福な約2,100人が持つ資産は、最も貧しい約46憶人(←世界の人口の6割)が持つ資産を上回る」という驚くべき結果を発表しました。つまり、経済がどんなに豊かになってもその値の裏には依然と取り残されてしまう人が数多くいるということです。例えば、典型的な例としてはバングラデシュで起こった「ラナ・プラザの事故」が挙げられます。犠牲になった人の多くが貧しい家庭の若い女性であり、更には低賃金で長時間労働させられていたということが判明しました。そして悲しいことに、こういった現状に反して私たちは「ファストファッション」として大量に服を買っては捨ててということを繰り返してきたのです。このように、何気ない行動が生産者の生活、命をも脅かすという状況を変えていく必要があるのではないでしょうか。

ゴール12『つくる責任、使う責任』

ゴール12は、生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、責任ある行動をとろう、という目標です。

現状

人類は、1年間に地球が再生産できる自然資源の量を上回って資源を使っていて、世界全体で、1年間に使えるだけの資源の量を使い切ってしまう日のことを「アース・オーバーシュート・デー」といいます。

人類は、生態系が再生する早さよりも速く自然資源を消費していて、足りない分は将来の人びとが使うはずだった分を先取りして使っています。2020年の日本のオーバーシュート・デーは、5月12日と発表されました。世界の平均よりもおよそ3カ月半早く、資源を使い切っている計算です。資源を使いすぎる生活は、温暖化や気候変動、さまざまな環境問題につながっていて、1個の地球で暮らし続けるために、知恵を出し、協力して、資源を使いすぎない暮らしを作り上げる必要があります。

フードロス

世界で生産されている食料のうち 約3/1(13億トン) が、生産から消費にいたる道筋の中で捨てられています。

・世界で2億6300万トンのお肉が生産され、そのうち、約20%が捨てられている。これは7500万頭の牛に相当。

・北アメリカとオセアニアだけで、581万4000トンのいも類が、実際に買ったり食べたりする段階だけで捨てられている。10億袋分以上のジャガイモに相当。

・果物や野菜はすべての食べ物の中でも捨てられている割合が高い食料。リンゴでいうと、3.7兆個のリンゴに相当。
・ヨーロッパだけでおよそ20%、2900万トンの乳製品が毎年捨てられている。これは5740億個の卵に相当。

・先進工業国では、2億8600万トンの穀物が捨てられています。これは全体のおよそ30%に相当。

・漁業で網にかかった魚のうち8%は以上へ出ることなく海へ返される。その多くは死んでしまったり、死にかけていたり、酷く傷ついた魚。30億匹のアトランティックサーモンに相当。

~自分にできること~

ゴール8、9を担当したしゅんぺいです!

ゴール8達成に向けて自分にできることとして、フェアトレード商品の購入があります。

 途上国からフェアトレード商品を購入することで、不公正な貿易をなくし、社会的に困窮する労働者の経済的自立を支援することができます。また、フェアトレードには開発途上国の労働者の持続可能な開発を促進することを目標に作られた国際フェアトレード基準の原則というものが存在します。その基準として、安全な労働環境や、長期的な取引の促進、児童労働・強制労働の禁止などが存在します。そのため、フェアトレード活動は、彼らへの経済的支援を可能にするだけでなく、労働環境の改善などの社会的支援、彼らの生活環境を向上させることも可能にします(FAIRTRADE JAPAN)。

身近なフェアトレード商品

ミニストップの商品はこちら

 フェアトレード商品は皆さんの生活の中に多く存在します。例えば、こちらの商品は、ミニストップの一部店舗で購入可能なフェアトレードホットコーヒー・アイスコーヒーです。

 このように、フェアトレード商品は身の回りにあふれています。もしフェアトレード商品について関心が高まった方にはぜひ、買い物をする際にフェアトレード商品について意識していただけたらなと思います!

ゴール9達成に向けて自分にできることとして、新技術に関する関心を持つことがあります。

 この目標の達成のために私たちが直接何かをすることは難しいかもしれません。しかし、関心を持つことは可能です。新技術に関心を持ち、利用すること、さらに周りの人々へ発信することによって理解を促すことで需要が高まり、イノベーションもより促進されます。個人のSDGsに対する意識を高めることは目標達成に必要不可欠です。ぜひ、みなさんで新しい技術について理解を深めていきましょう!

ゴール10を担当した、えりりんです!

 1つ目は、フェアトレード(※1)のモノを買う事が挙げられます。例えば、値段は高いですが、オーガニックコットンで作られた服(※2)などが該当します。オーガニックコットンは農薬や肥料をなるべく使わず、土や環境、作る人の健康面にも良い素材です。また、CO₂の削減においても期待されています。

 上記にあげた「ラナ・プラザ」は洋服を縫い合わせている段階でしたが、そのもう一段階前、コットンを作る過程においても生産者は健康被害に苦しんでいるのです。その現状を”知る”ということにおいては「ファッションレボリューション」という運動に加わるのも大切だと感じています。

 2つ目は、ユニセフなどの寄付に賛同することです。なんと、100円寄付するとポリオから子どもを守るためのワクチンが5回分も打てるようになったり、2円という少額でも、ビタミンA欠乏症やはしかによる合併症を予防・治療するための、ビタミンAカプセル1錠を調達することに繋がります。こういったことから1年に1回、多額でなくても寄付をするということも重要なアクションだと思います。

☆関連

・※1 国際フェアトレード認証ラベル

・※2 オーガニックテキスタイル世界基準

ゴール12を担当した、ひよりんです!

ゴール12の目標に向けて私たちにできることとして、

・余分に購入しすぎない、食材は使い切る、調理されたものは残さない

・再生可能エネルギーの利用を促進する

・リサイクル・リユース出来るものを購入する

・紙の印刷を減らす

などが挙げられます。

日本の食ロスの46%は家庭から出ています。このため、一人一人の取り組みが課題解決に大きくつながります。上に示した以外にも、賞味期限の近い値引き商品を買うといったことも重要です。

私たち日本人は、衣料、食料、エネルギーなどの様々な資源を使いすぎています。飢えに苦しむ国がある一方、日本では食べられるのに捨てられる食料がたくさんあることを知り、小さなことでもできることを探して実行してみましょう!一人の小さな取り組みでも集まれば大きな変化になるはずです!!


以上、『経済 』 でした! 次回は、SDGs企画「環境」分野になっています🌎「環境」では、「エネルギー」や「地球温暖化」「陸」「海」など多岐に渡って情報が掲載されていますので、そちらもぜひ読んでいただけると嬉しいです!

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