【イベントレポート】 2nd Anniversary Event ~1万人の1歩が紡ぐ未来~①

はじめに

 皆さん、こんにちは。actcoin for youthで活動しているえりりんです!2月27日土曜日にactcoin2周年記念のイベントが開催されました。今、actcoinは「1万人を超えるユーザー」と「200以上のイベントパートナー団体」と共に前進し続けています。そんな中、迎えた当イベントでは沢山の方にご参加頂き、非常に有意義な時間を送れたことを心より感謝申し上げます。Meet Upの詳細としては前半(=第1部)に3人のゲストをお招きしてのトークセッション、後半(=第2部)にジャンルが違う9つの団体の方を交え、参加者同士の交流とワークショップを行いました。イベントの内容の詳細を以下にまとめたので、参加できなかった方にも伝わると嬉しいです。なお、第2部は次のレポートに掲載しています。

⇩ユースメンバー、しおりんがグラレコしてくれました!!とっても素敵なデザインで要点がまとまっているので、ぜひ記事と照らし合わせて見てください!

第1部について

 まず、前半について紹介したいと思います。前半では、最初に3人のゲストの方それぞれにプレゼンをして頂き、その後「つながりとアクション」をテーマにactcoinマネジメント統括の薄井がファシリテーターとして、御三方の話しを一歩踏み込んだクロストークの進行をしました。

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3人のゲストの方によるプレゼン内容と詳細

NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さん

 1人目のゲストの方は「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんです。この団体は、若い世代の政治参加を促すことを目的に活動されています。能條さんはこの団体を2019年7月の参議院選挙をきっかけに、インスタグラムを開設したところから立ち上げました。若い世代の投票率の低さ(20代は約30%!)に問題意識を持ったと話す能條さん。しかし、それは若者の責任だけでなく、学校や社会のあり方にも課題があるということに気付き、その上で今の若者の世代から変えていけることがあるという思いから団体での活動に繋がったそうです。特にメインでインスタグラムメディアの運営を行っており、「政治や社会について」分かりやすく発信し、知ってシェアして会話になっていくことを期待しています。自分達から政治に近づくこと、そして、あまり高いハードルだと思わずSNSのシェアやいいね、投票に行くという小さな行動の一歩からはじめるのが大切だという考え、とても重要なことだと感じました。

 能條さんが政治参画に強い関心を抱くようになったのは、北欧(デンマーク)への留学がきっかけだそうです。若者の投票率が80%を超えるこの国で過ごした体験談の中で特に印象的だったのは、小学生が選挙の投票に際して、候補者がいるテントを全て回って候補者の特徴をまとめるというのが宿題で出るというお話や候補者が選挙者と会話できる雰囲気が作られているというお話でした。デンマークでは、誰が社会を作っているかと聞かれたらきっと現地の人は「私たち」と答えられる一方で、日本では、どちらかと言えば「政治家や企業のトップの人」で私たちではないのが現状だと語る能條さん。

 選挙の時に私達の世代から私達の課題意識 (EX.気候変動やジェンダー) を焦点にしていくことを大切にしています。今の政治の中で一番に挙がらないトピックを自分達から発信していくことでそういった課題に興味がある若者にも興味をもってもらえるのではないかということを話してくださいました。また、若い世代と政治家をつなぐインスタライブも行っており、とても積極的に活動しています。能條さん個人でやっている活動としては、興味がある「気候変動」や「ジェンダー」に関することに声をあげているということが挙げられ、自分達にできることをやっていくという行動の積み重ねが大切だということも最後に語って下さいました。自分にできる行動の積み重ねを、私も実践したいと思いました(*^^*)

ボーダレス・ジャパン」採用担当の鈴木健太郎さん

 2人目のゲストの方は「ボーダレス・ジャパン」採用担当の鈴木健太郎さんです。「ボーダレス・ジャパン」という会社がミッションとして掲げているものは、”ソーシャルビジネスという世界を変える”。実態としては会社というよりも「共同体」として活動されています。事業の取り組みとして大切にしているソーシャルビジネスという言葉は、ボーダレスさんでは「社会問題の解決に繋がるビジネス」と定義しており、このソーシャルビジネスを増やし、世界をより良くしていこうというのが考えの中心にあります。社会問題の数だけ、そこに対するソリューションに関わる人を増やしていくのが大切であるという御言葉は、貧困や教育の格差が依然として残っている現状において、とても意義深いものとなるのではないでしょうか。今後、一つでも多くの社会問題に対して、ソリューションを実践できるようにすることが目標であり、社会を良くしたいと思う人達が集って社会活動を繰り広げられる会社にしていきたいと鈴木さんはおっしゃっていました。

 そんな鈴木さんは大学時代、教師になることに憧れ、教育学部に進学する傍ら「トビタテ!留学JAPAN」という制度を利用して海外留学をしました。そこでは様々な国の教育現場、特に「子供たちに関わる」というところに注目して足を運ばれました。帰国後には留学の経験を踏まえ、教育事業立ち上げなども行いました。誰かのためになりたいと考えた時、一番に浮かぶのが子どもたちだったため、心の中で「教育」というのが特に大きかったと述べる鈴木さん。子供たちが持っている教育の問題は社会の側にあると実感し、教員という枠を超えてソーシャルビジネスに取り組む決意をしました。

 そして、鈴木さんがボーダレスの中で一番感じたことは「起業家を支える多くのメンバーや役割を発揮する人たちの存在も欠かせない」ということです。良い社会を作る仲間を増やすために、採用人事というポジションで改めてスタートをきり直したいという意気込みや社会をより良くすることに関わる人を増やし、多くの人の”思い”と”行動”で未来に良い社会を残していくこと、「ビジネスが変わって選択肢を変えていくこと」を大切にしたいという志もお話しして下さいました。

 ボーダレスさんでは「big company」ではなくて「good company」を目標に掲げ、ビジネスが変わることによって経済活動・社会活動が変化し、より多くの人の生活に新しい選択肢を届けることを目指しています。

 最後にメッセージとして発信して下さった

早く行きたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。

というアフリカのことわざ。より多くの人と協同していける社会を実現したいという鈴木さんの熱意、素敵だなぁと感じました✨

株式会社「Good Morning」代表取締役社長の酒向萌実さん

 3人目のゲストの方は株式会社「Good Morning」の代表取締役社長の酒向萌実さんです。「Good Morning」では、ソーシャルグッドな領域、社会問題と向き合う人に向けたクラウドファンディングのプラットフォームを運営しています。そもそも、クラウドファンディングはどのように使われていたのでしょうか。海外ではガジェットを作って先行販売的に売るという使われ方をしていた一方で、実は日本では東日本大震災の時期と被ったという事もあり、「寄付」として使われることが多かったそうです。Good Morningの前身となった(国内で最大規模のクラウドファンディングのプラットフォームを運営している)「CAMPFIRE」は2011年に創業したのですが、当時はこういった側面から「復興」として使われることもありました。Good Morningは2016年にCAMPFIREの中でサブブランドとしてソーシャルグッドな領域に特化したブランドを作ることになった経緯で生まれ、その後2019年の4月にCAMPFIREから分社化をし、1グループ会社として走り始めました。

 CAMPFIREは「お金の流れをカラフルに」とうたっており、お金へのアクセスやチャレンジへのアクセスを民主化していきたいとグループ全体の目標に掲げています。その中で特にGood Morningが担っていくミッションとして掲げているものは「誰もが社会変革(=自分の違和感に対して何かアクションを起こしてみること)の担い手になれる舞台をつくる」、そして達成したいビジョンは「誰の痛みも無視されない社会に」です。課題に対して社会全体がしっかり向き合い、解決にエネルギーを注いでいくことができるような社会になっていくことが重要であるため、課題がゼロの社会にするということには焦点を当てていないというお話は特に印象的でした。

 ちなみに、去年1位の支援者数だったプロジェクトはYouTubeのメディアを運営している方達がメディアの存続のために立ち上げた「Choose Life Project」でした。他にも去年の象徴的な一つとしては「香川県で子供がゲームする時間を決めたこと」に対して、香川県の高校生が自ら裁判を起こし、クラウドファンディングを立ち上げ、お金を集めたということが挙げられます。もともとコミュニティを持っている訳ではない人でも、スタートを後押しできるようにクラウドファンディングがなっていって欲しいと語る酒向さん。

 コロナ禍でも活動の一つとして、コロナで被害を受けている方達に向けて手数料を引き下げるサポートのプログラムの展開を行っていました。なんと累計でプロジェクトが4863件、累計で集まった支援の金額は107憶円が集まったそうです!給付が間に合わなかったり、制度の隙間に落ちてしまい、支援が届いていなかったりした方に使っていただくことが去年1年間ではとても多かったとお話ししてくださいました。サポートが必要な課題を話題にして、公の場を動かせるムーブメントを皆で作っていくことがクラウドファンディングにできる役割。気持ちをお金に変えて託すことができるツールがクラウドファンディングであり、色んな参加の方法を試してみる方が増えていって欲しいというメッセージ、きっと多くの人の心に響くと感じました🌷

クロストーク

薄井)若者の政治参加というと「投票率」にフォーカスされてしまうと思うのですが、根本的な部分で一人一人が主権者としてcitizenshipを発揮してという部分からいうと、どういったところを今後変えていけば良いかと思って活動されているか教えていただけますか。

能條さん)民主主義社会を作っていく一人一人に必要な要素として、まず、それぞれが自分の意見を持つところから始まると思っています。自分の意見に繋がらない、教育の中で育まれていないというのに問題意識を感じていて、「自分と結びつきができる」ということをもっと教育の中に取り込んでいく必要があります。政治の話になると政局のことを思い浮かべる人が多いと思いますが、基本的な政策の話がもっとできるようになれば変わっていくのではないかと思います。


薄井)ソーシャルビジネスという言葉が一般化してきた故に、何がソーシャルビジネスなのかということに問い直しがきていると思います。そんな中でボーダレスさんの中でソーシャルビジネスというのはどういった定義をされているのか、どういうフレームワークの上で社会起業家支援をされているのかを是非、お話ししていただけますか。

鈴木さん)社会貢献と社会課題解決というものを分けて考えているというところをとても大切にしています。全てのビジネスが社会課題解決のためにモデルをチェンジして変えてやっていけると思っています。社会貢献と社会課題解決というところで考えて、ボーダレスが一番大事にしているのは、「効率の土俵の中でビジネスをするのではなくて、非効率な人々も含めて改めて経済活動をし直そう、再構築しようというところを考える」ということです。非効率を巻き込んで事業をしようとした時にビジネスというものとは分けて、ソーシャルビジネスというものを改めて定義し、こういったものを増やしていくのが必要だと感じています。ボーダレスでは社会性と経済性の両立をすることではなく、事業を大きくすること、売り上げを上げることを日常で考えています。しかし、その点の延長線上に必ず社会課題解決がされるというような状態を先に組んでおくということを大切にしています。


薄井)「クラウドファンディング」というところのプラットフォームの成長が結果として自助圧力の肥大化になってしまうのは良くないというお話を以前されていたのが印象的で、今、どういったところを事業運営の中で大事にされているのか、そういった葛藤に対してどういう答えを出しているのか教えていただけますか。

酒向さん) コロナ禍で、等しく全員が助けられるセーフティーネットではないクラウドファンディングを使わざるを得ない状況に多くの人が追い込まれていたのが苦しい状況でした。 私達は、クラウドファンディングの役割をショーケースであり、メディアであるべきだと思っています。例えば、一地域で起きている課題は一部の人しか気づけないという状況を改善するべく、その課題を顕在化すること、課題としてきちんと名前をつけて解決しないといけないものであると定義をしていくことがクラウドファンディングとしてできることだと考えています。


※一部、文章を省略しています。

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